仮面ライダー〜THE MASKED RIDER〜(あいじさん作) - 58 | ケステーズ - 二次小説・SS投稿

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仮面ライダー〜THE MASKED RIDER〜



「もうちょっと頭がいいと思ってたんだけどな…『S,M,R,』唯一の成功作がこれではね…緑川も厄介な検体を連れて来たものだ」
「『S,M,R,』…?」
「システム・マスクド・ライダー。緑川が我々に持ち込んだ次世代型戦闘兵の改造プランのことさ。ノーマルタイプの改造人間たちはどんなに鍛錬を積もうが再改造されようが予め設定された限界値を超えることは出来ない。しかし『S,M,R,』は精神や感情の昂りにより限界値以上の能力を引き出すことが出来る。それだけでなく、その変化する出力に対応するマシン…二つが一つとなる事で常に最高の能力を発揮する…それが『S,M,R,』だ」
緑川博士の遺言とも言うべき言葉が脳裏をよぎる…サイクロンは『仮面ライダー』の為に造られた専用マシン。そして感情の昂りを力に変換する『S,M,R,』…大使の言葉にどれ程の信憑性があるか分からないが信じざるを得なかった。
力の発動…ぼんやりとした意識下でもその記憶は鮮明に残っていた。
全身に風が流れ込み充実していくあの感覚…そして巨大なエネルギーに耐えられずに暴走した自分…。
「緑川は君という検体を使ってそれを成功させた…だが未だにそのメカニズムは解明していない。ショッカーの科学力をもってしても、ね」
大使の毒蛇の瞳が猛を睨みつける。
「まぁ、まさか君が『仮面ライダー』を名乗って反逆するとは誰も思わなかったけどね」
大使の口から嘲笑にも似た笑みが溢れ落ちる。どこまでも不快で見下すような笑いだった。
「さて、と。お喋りはおしまい。今日君に会いに来たのは君の意思を聞くためさ」
「意思…だと?」
「そう。その肉体と共にショッカーに還るか、それともこのまま反逆を続けるか…」
猛の拳が強く握られる。
そして怒りとも憎しみともとれない強い輝きを宿した瞳が毒蛇の眼を見据えた。
「俺の使命は暗闇に取り残された人々を救うこと…再び暗闇に戻ることはない」
「立派な台詞だね。でも、君は誰かを救えたのかな?」
「なんだと…?」
「三田村晴彦と原田美代子…あの二人を改造したのは僕さ」
猛の顔に驚愕の表情が浮かぶ。その様をまるで楽しむかのように大使が笑みを溢した。


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