仮面ライダー〜THE MASKED RIDER〜(あいじさん作) - 54 | ケステーズ - 二次小説・SS投稿

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仮面ライダー〜THE MASKED RIDER〜

終焉?

「本郷…」
隼人の手が伸びる。
だが猛はその手を振り払い、歪んだその顔で隼人を睨んだ。
「俺は…敵を倒しただけだ…ショッカーを…でも俺は何をしたんだ!?」
猛の目が晴彦と美代子の亡骸を捉える。折り重なるように倒れている二人の手はしっかりと握られていた。
「俺は…何を…」
絞りだすような猛の声…その悲しみが、怒りが、痛い程に分かった。
「うおおお!」
猛の拳が冷たい地表に振り落とされる。
何度も、何度も、まるで自らを戒め傷つけるように…例えプロテクト・ギアに血が滲んでも、猛の拳は止まらかった。
「止めろ…」
隼人がその拳を握り、動きを止める。
「自分を傷つけても死人は帰ってこない」
「お前に何が分かる…!」
その刹那、猛の拳が隼人のマスクを掠めた。
「本…郷…」
「二人は死んだ…俺が殺した…暗闇に囚われた人を救うと誓いながら俺は…俺は!」
暗闇に浮かんだ顔が隼人を睨む。もうそれは、猛どころか人間の表情ですらなかった。
激しい憎悪、憤怒、そして悲しみが全身から吹き出している。
絶叫とも雄叫びとも取れない声を上げ、猛の身体が激しく痙攣した。
「なんだ…何が起こっている!?」
その光景に隼人は自身の目を疑った。
ベルトを中心に猛の身体に凄まじい風が渦巻いているのだ。だが風力を自身のエネルギーとするのは隼人も同じこと…だが、猛のそれは改造人間が使用するエネルギーを遥かに凌駕していた。
「うわぁあああああッ!!」
空気を裂くような怒号と共に猛の一撃が隼人に叩き込まれた。
かろうじて防御が間に合ったものの、隼人の手に感覚がない。もし一歩間違っていたらそのまま死んでいただろう。
「ッ本郷!?」
隼人の呼びかけも虚しく、猛はそのまま次々と攻撃を繰り出す。
その全てが『殺す』事を目的とした必殺の一撃だった。
「目を覚ませ本郷!お前には使命があるんじゃないのか!?」
息も吐かせぬ猛攻を受けながら隼人が叫んだ。
だが猛の手は止まらない。怒りと悲しみ、そして殺意を乗せた拳が隼人を容赦なく襲う。


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