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ゼロと双剣の使い魔 ロイドが消えて、それから 2
しいながゼロスに迫っていくがゼロスはそれを軽く流していつものおちゃらけた調子であり得る可能性を述べていく。
しかし次の瞬間、それが消えていつもはあまり見せない真剣な表情へと変えた。
「・・・あとはこことは違う世界に飛ばされちまった、とかな」
『違う世界!?』
みんなの声が奇麗にかさなった。
「ちょ、ちょっと待ってよ!こことは違う世界って、異世界ってこと!?ロイドは異世界に飛ばされたって言うの!?そんなの」
「あり得ないってか?じゃあシルヴァラントとテセアラはどうだ?これだってある意味異世界みたいなもんだったろ。それに魔界ニブルヘイムだって異世界ってやつになると思うぜ。こことは違う場所ってことなら同じことだろ?」
「そ、それは・・・」
ジーニアスはそれに黙るしかなかった。
「・・・確かに、ゼロスの言ってることもあり得ないとは言い難いわね。私達が知らないというだけで異世界の存在がないと否定されることにはつながらないものね」
「じゃ、じゃあ、仮にロイドが異世界に飛ばされたとしてどうやって連れ戻すのさ!シルヴァラントとテセアラを行き来するときはレアバードがあったけどこれはお互いにベースがあったからできたんだし、魔界ニブルヘイムの時はエターナルソードのおかげで戻ってくることができたんじゃないか!でも、ロイドが異世界に飛ばされたんだとしたら何の手がかりもないのにつれ戻すなんて出来るわけないじゃないか!」
その事実とも言えることを挙げられみんなに絶望の色が浮かび上がる。
コレットも俯いて震えている。
横から見えるその顔はみんなと同じように絶望の色が浮かんでいて今にも泣き出してしまいそうだ。
「・・・いえ、もしかしたら不可能ではないかもしれないわ」
リフィルの言葉にみんな驚きの目を向ける。
「ど、どういうことですか先生!?」
「お、落ち着きなさいコレット」
コレットが迫ってくるのをリフィルはなんとかなだめ収まらせる。
「そうね、飛ばされたのがロイドだったことがある意味、不幸中の幸いだったと言っていいでしょうね。他の人ならたぶん連れ戻せる可能性が低いと思うから」
「どういうことですか?」
リフィルのその言葉に一同首をひねる。
「これは私の推測だけどそれほど間違ってはいないと思うの」
「姉さん、だからどういうことなの?」
「つまりね・・・」