仮面ライダー〜THE MASKED RIDER〜(あいじさん作) - 50 | ケステーズ - 二次小説・SS投稿

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仮面ライダー〜THE MASKED RIDER〜

終焉?

コブラの心が揺れる。
恐怖は無い。
畏れも無い。
では何か…コブラ自身もその心のゆらぎを理解することはできなかった。
直感的に感じたことは多分、メデューサも同じことを考えているという確信…だがそれも目の前に聳える二つの仮面に撃ち砕かれた。
猛と隼人二人の拳がコブラのプロテクト・ギアを貫いた。空気を裂く爆音、そして続いて現れた衝撃がコブラを後方へ下がらせた。
『何故だ!!?』
コブラが叫んだ。それは普段の彼からは想像も出来ないことだった。常に冷静、確実に『裏切り者』を処理してきた。しかし、今の彼は狼狽し苛立ちと焦燥でその心は揺らいでいる。パートナーであるメデューサも、コブラ自身でさえもその変化に驚愕した。
『なんでお前達は立ち上がる!?何度も何度も潰した筈なのになんで壊れない!?』
怯えたように叫ぶ姿は冷酷非情な処刑人ではなかった。
「計算されたコンビネーション、対をなす身体能力…どれを取ってもお前達は俺達の上を行く。それに、なにか不思議な絆のような物を感じる…お互いに庇い合うことを前提とした戦闘スタイル…俺達には無い物だ」
猛の言葉が空間を支配する。問いをぶつけたコブラもメデューサも、そして隣に肩を並べる隼人ですら動くことができなかった。
「だが俺達にも『絆』はある。ショッカーによって繋がれた忌まわしい絆が!改造人間という宿命が!」
「本郷…」
隼人が小さく呟く。
その声色には僅かな喜びが含まれていた。
『絆か…』
コブラが笑う。マスクの下に隠れた素顔が僅かに歪んだ。
『メデューサ…俺達には何があると思う?』
『えっ…?』
『身体を棄て、心を棄て、俺達に残ったものはなんだろうな…』
コブラはゆっくりと立ち上がると、穴の空いたプロテクト・ギアを僅かに撫でた。
『決まってるじゃない』
メデューサはコブラを支えるように肩を抱き、その口元に穏やかな微笑みを浮かべた。
『例え人間で無くなったとしても、私たちはずっと一緒よ…貴方が歩く道は私が歩く道ですもの』
二人は繋がれていた…『愛』という優しくも残酷な鎖に。


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