仮面ライダー電王〜千の偽り、万の嘘、たった一人の君の幻〜(風太郎さん作) - 32 | ケステーズ - 二次小説・SS投稿

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仮面ライダー電王〜千の偽り、万の嘘、たった一人の君の幻〜35

千の偽り…

ー"本当"なんかいらない。大抵のことは嘘で塗りつぶせるから。


万の嘘…
ー繋がりなんか必要ない。どうせ嘘で塗り固めたものだから。


電ライナーから一歩出れば、全てはよそ行き用に作り上げた自分。

女の子に声をかけるのはゲーム…笑顔は造りもの…その場が楽しめれば、それで良かった。



…君に出会うまでは…



〜電ライナー〜


「おら!!今更隠したってしょうがねぇだろ!!」
モモタロスの背に隠れるように立つ青い影が一つ。

「…」

ウラタロスがおずおずと一歩前に出た。


「…あの…彩ちゃん…」


いつも饒舌なウラタロスが言葉に詰まる。

…一緒にいた時間が"絶対"じゃないことくらい
分かってた。でも、こんなに突然終わりが来るなんて…

彩は不思議そうに彼を見つめた。彼があの浦太郎だとは分かるはずもない…

「あのね、彩ちゃん、話すと長いんだけど…」
良太郎はその場の空気に焦りながらウラタロスと彩の間に入る。







「…知ってたよ」



彩の笑顔。

それはいつもと変わらぬものだった。

「え?」
俯いていたウラタロスが顔を上げる。

「ウラ…でしょ?」


「気づいて…たの?」

ウラタロスはおずおずと彩に視線を合わせる。

「初めて会った時からね。イマジンことは知ってたし…それに、良太郎といつからの付き合いだと思ってんの??イマジンに憑かれてたって本人かどうかぐらい分かるさ」
彩は胸を張った。

「…じゃあ、知ってて何で…」
呆気にとられるウラタロスに代わって良太郎が尋ねた。

「初めは良太郎が心配だったから…イマジンなんかに付け込まれて、憑かれて、良いように使われてるんじゃないかって…とりあえず、良太郎に憑いてるイマジンがどんなヤツか調べようと思ってね…」
彩はウラタロスに向き直ると真っ直ぐ彼を見つめた。
「それに…ウラは信用できそうだし」

「…彩ちゃん」

彩はウラタロスの本当の姿を見ても動じることはなかった。
本当の姿であっても変わらぬ笑顔を向けてくれる彩に、ウラタロスの表情も綻んだ。

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