仮面ライダー〜THE MASKED RIDER〜(あいじさん作) - 41 | ケステーズ - 二次小説・SS投稿

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仮面ライダー〜THE MASKED RIDER〜

狂宴?

夜風が火照った身体を優しく冷やす。
街灯一つに照らされた街は眠っているように思えた。
「ふぁ〜あ…」
葉は大きく欠伸をすると辺りを見回した。
最初に気がついたのは鉄の臭い。それが血の臭いだと解るまで時間がかかった。
「なんだ…?」
葉は招かれるように血の臭いを追った。


「遅いな…あいつ」
隼人は時計を見ながら呟く。葉が出て行ってから既にかなりの時間が過ぎていた。
隼人は二人分の料金を店員に払うと、暗い街の中を走った。


臭いは段々強くなる。
既に元の酒場からかなりの距離に来ていたが葉の足は止まらなかった。
不意に水溜まりを踏んだような音に、葉は足下を調べた。
「今日は雨降ってねぇよな…」
それを手で触れると生暖かい感触が葉の指を支配した。
「血…!?」
血溜まりが点々と続いており、その先にズタズタにされた死体が棄てれている。
「こ…れは…」
身体が震える。
葉の本能が得体の知れない恐怖を感じ、危険信号を送る。
不意に冷たい金属の感触が葉の首下に伝わった。
「なんだ…テメェは」
地獄から響くような低く皴がれた声。
すぐ後ろに感じる呼吸が人間でない何かを演出していた。
葉は恐怖に圧され、首が傷つくのも構わず声の主を押し倒した。
「!?」
ソレは人間ではなかった。
全身を奇妙なグリーンに包み、闇に浮かんだ顔は蟷螂の顔そのものだった。手に大振りの鎌が装着されており、滴る血がその凶悪さを誇示しているようだった。
「見られちゃしょうがねぇ…お前も殺す」
蟷螂男が大きく飛翔する。
一瞬で葉の懐に飛び込み腕の鎌で肩から一直線に切りつけた。
冷たい感覚が体内を侵食し、鈍い痛みとともに大量の血が吹き出した。
鮮血が夜の闇に舞い、葉の視界が赤く染まった。



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