仮面ライダー〜THE MASKED RIDER〜(あいじさん作) - 37 | ケステーズ - 二次小説・SS投稿

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仮面ライダー〜THE MASKED RIDER〜

狂宴?

猛が咆口を挙げる。
それと同時にコブラとメデューサが駆け出し仕掛けた。
猛の拳とコブラの拳が交差し、衝撃が辺りを駆け巡る。コブラの一撃をかわし、猛が拳を叩きこむ。
手応えはある。
だがコブラのプロテクト・ギアには傷一つついていなかった。
反撃の拳が空を切る。猛はその跳躍力で上空へ飛んだ。同時にメデューサもコブラの屈強な背中を蹴り、空中へ飛びあがる。
二人の足が交差し、空間を切り裂いた。
「うぅ…」
メデューサが地に落ちる。猛は更に追撃の拳を振り上げたが、その拳は宙で止まった。
「なんだ…体が…」
猛の手は痙攣したように震え、足も棒のように動かない。まるで全身が別人のもののように重くなった。
「気づくのが遅かったようね…私の『毒』が貴方の自由を奪っていたことに…」
メデューサの指先から小さな棘が飛び出す。その姿はさながら毒蛇の牙のようだった。
「プロテクト・ギアの隙間を衝いたのか…だが…」
猛は走り出した。
だが痺れる体ではいつものようなスピードはだせない。
「逃がさん!」
コブラの拳が猛のプロテクト・ギアの中心に叩き込まれる。
未だかつて無い衝撃が猛の身体を走り、骨はおろか、臓器が潰れる音が聞こえた。
「まだ…だ…!」
猛はマスクから血を吹き出しながら、叩き込まれたコブラの腕を捕った。
「何を…」
「お前が人間であったことを思い出させてやる…」
猛は腕に渾身の力を込め、突き刺さったコブラの腕を関節とは逆にねじ曲げた。
耳を潰すような絶叫。
一瞬腕の力が弱まり、その折り曲がった関節に猛の渾身の手刀が振り落とされた。
「コブラ!」
メデューサが叫ぶ。
コブラは立ちあがり怒りに任せ、残された片腕で猛を持ち上げ、駆け出した。
森林を抜け、光が見えた。そしてその先には目が眩む程の断崖が広がっていた。
猛のマスクが外れた。
その唇がわずかに動く。
同時にコブラの腕を払い猛の姿は断崖に吸い込まれるように消えていった…。


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