仮面ライダー〜THE MASKED RIDER〜(あいじさん作) - 33 | ケステーズ - 二次小説・SS投稿

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仮面ライダー〜THE MASKED RIDER〜

毒蛇?

「なんでだ美代子!君が助かるのなら…僕はそれで…」
美代子の目はいつもと違っていた。
普段強いことは言わずいつも周りに流されてきた美代子が初めて僕に反発した。
「私は病気でもいい。晴彦さんといっしょに居られるなら…貴方が居てくれたから、今の私がいるの。貴方といっしょなら私はどんなことでも出来る。貴方が居ないなんて…私には耐えられない…」
「美代子…」
僕は美代子を抱き締めた。
馬鹿なことを考えた自分が情けなかった。
僕だって美代子の居ない世界を考えることが出来ない。
「愛…か…」
その男は酷く複雑な表情をした。さっきまでの毒蛇の瞳が消え、何故か悲しげな雰囲気が男を包んでいる。
「君たちを試そう」
男は静かにそう言った。


翌日、僕たちは眠らせられ奇妙な所へ運ばれた。
そして気がついた時には暗闇で二人並んで寝かされていた。
不安になる僕たちに反応するようにあの男が暗闇から現れた。
「改めて自己紹介といこう。我々は『ショッカー』。人類の進化と保存を司る組織だ。私は『大使』と呼ばれている」
「僕たちをどうするつもりだ…」
「君たちを改造し、我々ショッカーの一員となって貰う。成功すれば君たちは常人以上の能力を得るし、原田美代子の病気も治る。だが失敗すれば…」
「構わない」
僕も美代子も同じ考えだった。
僕は美代子がいる世界なら…二人でいられる世界なら…そこが例え地獄でも、僕たちのかけがえのない居場所なのだから。
大使は何も言わずにただ頷いた。
僕の意識が遠のいていくのがわかった。


目が醒めた時、そこは今までの世界ではなかった。
身体中から流れるエネルギーが、活性化した細胞が僕が人間でないことを物語っている。
だがそれでも構わない。僕の隣には美代子がいる。それだけで十分だった。
僕たちは新世界を守る戦士になった。
新しい世界を築き、古い世界を駆逐するために…

僕たちは『毒蛇』になった。

毒蛇 END

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