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ゼロと双剣の使い魔 25
「自らワルキューレの攻撃を浴びるつもりかい!」
ロイドは下にいたワルキューレを貫きそのまま地面に剣をつきたてる。
「翔破陣!!!」(獅吼翔破陣の獅子が出ないバージョン。実際にはない技)
すると、ロイドを中心に衝撃波が広がり周りにいたワルキューレを吹き飛ばす。
吹き飛ばされたワルキューレは衝撃に耐えきれず、砕けてしまった。
「な、なに!!」
ギーシュを含め周りにいた生徒達は驚きを隠せない。
いやそれよりも驚いたのはロイド本人だ。
(おいおい、なんだよこの威力!)
翔破陣は、もともと相手を吹きとばし体勢を崩す技である。
この技に込めた気も周りに放射されるため砕けるほどのダメージを与えるはずはないのだ。
大きな計算違いに唖然としていたが、気を取り直すと、離れていてあまりダメージを受けなかった数体のワルキューレに一気に近づき切り倒した。
そして、まだ驚きで硬直しているギーシュに一気に迫り剣をかざす。
「ひ!?」
「まだ、やるか?」
ロイドが呟くとギーシュは首を振る。
完全に戦意を喪失していた。
「ま、参った。僕の負けだ」
それを聞くと、ロイドは剣を鞘に戻した。
「これからは平民だとか貴族だとかくだらないことで差別すんなよ?それと、二股かけるのもよくないからな。ちゃんとあの二人にも謝っておけよ」
ロイドは笑いながらそう言い、ギーシュから離れていった。
(それにしても、さっきのあれはなんだったんだ?剣を手から放した途端なんでもなくなったし・・・)
「き、君はいったい何者なんだ?」
ギーシュがそう声をかけてくる。
ロイドは首だけ振り向く。
「俺は俺だよ。お前と同じただの人間だ。あ、そうだ、お前がさっき出した奴、あれお前が動かしてたんだろ?だったらたくさん出すより数体だけにした方が動かしやすいと思う。そのほうが負担減るだろ?お前、今にもぶっ倒れそうな顔してるぜ」
そしてもう一度ギーシュに笑いかけて歩き出した。
「・・・はは、負けたよ。戦いにも、人としても、ね」
ギーシュは笑みを浮かべ座り込んだ。
ロイドが言ったように魔力の使いすぎで今にも倒れそうな状態だっのだ。
ギーシュは負けたはずなのにどこかすがすがしく感じていた。
ロイドのほうを見てみると、ルイズがロイドに言い寄っているところだった。