仮面ライダー〜THE MASKED RIDER〜(あいじさん作) - 22 | ケステーズ - 二次小説・SS投稿

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仮面ライダー〜THE MASKED RIDER〜

遺産?

「ぐぅ…今のは…なんだ…何が起きた?」
吹き飛ばされた隼人が立ち上がる。
マスクに装備された遠赤外線レーダーが猛の姿を探した。
「そこか!」
隼人は身構える。
その瞬間、粉塵を巻き上げ“サイクロン”に跨がった猛が猛然と突撃してきた。
「あれは…まさか緑川の遺産か!?」
サイクロンは更にそのスピードを上げる。
普通の人間であれば、加速度で失神、悪くすれば死に至っている筈の速さである。
それはバイクではなかった。
風の塊…疾風の姿がそこにあった。
「馬鹿な…俺の…改造人間の反応速度を越え…」
隼人の言葉すら風の中に飲み込んだ風の塊は彼の体に激突した。
凄まじい衝撃が隼人の体を打ち付け、強固なプロテクターを一撃のもとに砕いた。
「そんな…俺は…」
猛はサイクロンを止め、隼人の前に立った。
「こ…殺せ、本郷猛…」
猛はゆっくりと首を振り、隼人に手を伸ばした。
「何の…つもりだ?」
「お前は俺だ。そして俺はお前だ」
「馬鹿な…いま俺を殺さないとまたいつ貴様の命を狙うかわからないんだぞ!何故だ!?」
「それでも構わない」
猛の心が仮面に浮かんだ。優しくそして強い、さっきの風のような心…隼人はどこか懐かしさを覚えた。
「グッ…」
隼人は変身を解き、傷ついた体を押さえ、闇の中へ消えた。猛はその背中が見えなくなるまでそれをみつめていた。
『千人の人間の命が奪われるとしたら、その中の百人でいい。いや、五十人でも十人でも…例え一人守りきれなかったときがあったとしても、それでもいい、守り続けろ、投げ出すな。次の一人を守るために戦え、生きろ。人を助けることが大事だ、ショッカーを倒すことなんか二の次にしていい、お前の仕事は暗闇にとりのこされた人々を救うことだ』
サイクロンから緑川教授の声が響いた。


遺産 END

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