仮面ライダー〜THE MASKED RIDER〜(あいじさん作) - 21 | ケステーズ - 二次小説・SS投稿

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仮面ライダー〜THE MASKED RIDER〜

遺産?

隼人の背中を風が吹き抜けた。
暖かい…懐かしい風…さっきまで吹いていた風とは違う…強く優しい風だった。
その風が全て猛へと集まっていく。
「なんだ…?」
「他の人間から見れば…俺は確かにバケモノかもしれない…だが…それでも…俺は…俺は…」
怒りとは違う…悲しみ…そして優しさに満ちた猛の顔がマスクの上に浮かぶ。見えない筈の涙がマスクの上に落ちていく。
「本郷ォォ!」
隼人が弾かれたように拳を振り下ろす。だがその一撃よりも早く、閃光のような蹴りが隼人のプロテクターに突き刺さった。
隼人は腹を押さえうめいた。プロテクターの上とはいえ、その一撃の威力は常軌を遥かに超越していた。
「バケモノでもいい…俺はショッカーと戦う。奴らは人間の価値を決める。不要な人間を切り捨て、かけがえのない命を犠牲にする。それは許せないことだ…その心があるかぎり…俺は…仮面ライダーはショッカーと戦う!」
二人の体が激突する。
幾つもの打撃、衝撃が二人の間を通り抜ける。だがその激突も長くは続かなかった。
隼人の拳が猛を捉え、吹き飛ばした。
「終わりだ…本郷猛ィィィ!」
「ぐっ…」
その時一陣の疾風が巻きおこった。
隼人の体は遥か彼方へ弾かれ、その疾風は猛の前で止まった。
「これ…は…」
輝く白いボディ…力強い真紅のライン…そして六本のマフラー…疾風はバイクだった。
「ベルトが反応している…?」
猛のベルトが光を放ち、バイク内に録音された音声を再生した。
『猛…私の教え子…』
「緑川教授!」
『この音声を聞いている頃、私はもう存在しないだろう。このマシンは“サイクロン”君の為に設計、開発したショッカーの新型バイクだ。君ならば…いや君しか使いこなせないだろう…。猛…決して力の使い方を間違えるな…』

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