51
ゼロと双剣の使い魔 52
「ダーリン!ルイズ!」
キュルケの声にハッとする二人。
振り向くとゴーレムが大きなこぶしを振り上げていた。
ロイドは再びルイズを抱え走り出す。
「ルイズ、お前は魔法が使えないからってばかにされ続けたんだよな?でもさ、ちゃんと成功してるじゃないか。俺がここにいる。ルイズが魔法で俺をここに召喚したんだ」
「!?」
ロイドの言葉にルイズは目を見張る。
後ろではズシンズシンとゴーレムが追いかけてくる。
シルフィードが2人を救うために飛んできた。
「乗って!」
タバサが叫んだ。ロイドはシルフィードの背にルイズを押し上げた。
「あなたも」
タバサが珍しく焦った調子で言ってきたがロイドはそれを聞かずゴーレムに向き直った。
「ロイド!」
シルフィードに跨ったルイズが怒鳴った。
「いいから任せて見てろよ。あいつは俺が倒してやる。元の世界に帰るまでの期間限定とはいっても、一応俺はお前の使い魔ってやつらしいしな。だったら少しは信用しろよ。いけ!」
タバサは無表情にロイドを見ていたが追いついてきたゴーレムが手を振り上げるのを見て、やむなくシルフィードを飛び上がらせた。
こぶしが振り下ろされたがシルフィードはそれをひらりとかわし空に昇っていく。
ロイドもそれをバックステップで難なくかわす。
「・・・で、どうするつもりだ?相手は切っても再生するようなやつだ。まともに切りかかっても勝てる相手じゃねぇぞ?」
「まあ、そうなんだろうけどさ。でも、再生するんだったらそれができないくらいぶっ壊せばいいってことだろ?」
ロイドは迫りくるゴーレムを見つめ双剣を握る手に力を込める。