仮面ライダー〜THE MASKED RIDER〜(あいじさん作) - 14 | ケステーズ - 二次小説・SS投稿

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仮面ライダー〜THE MASKED RIDER〜

遺産?

本郷猛が喫茶店『Amigo』を訪れたのは昼を少し過ぎた頃だった。
店に他の客の姿はなく、店長である立花藤兵衛の姿も相まって、店内は一層哀愁を漂わせていた。
「いらっしゃい、えらく久しぶりだったねぇ」
「ちょっと仕事の関係でね…あすかは元気にしてますか?」
「あぁ、今日も出稼ぎに行ってるよ…そういや、君に会いたがっていたな」
「そうですか…」
猛は穏やかな表情で言葉を返した。
あの夜…スコーピオンと戦った夜から、あすかのことはずっと気にかかっていた。

あの異形を…

あの忌まわしい身体を…

あの仮面を彼女の前に晒してしまったことを…

猛の手に力が籠る。
やり場のない怒りと悲しみが彼の全身に深く刻まれていた。
「どうしたの?なんだか怖い顔してるけど…」
立花の怪訝そうな声に猛は表情を取り繕い、いつの間にか運ばれていたコーヒーに手を伸ばした。
ちょうどその時、来客を告げるガウベルがガラガラと音を発て、明るい声が店内のムードを叩き壊した。
「たっだいま〜!疲れたよ〜、マスターコーヒーちょーだい!」
まだ若い女性である。どうやら立花の知り合いであり、この様子では客と言うわけではないらしかった。
「ルリ子ちゃん…もうちょい声のボリューム下げなさい。お客様がいるのよ?」
立花は猛の方に首を動かしルリ子と呼ばれた女性を促した。猛はとりあえず挨拶のつもりで顔を上げた。
そしてルリ子の顔を見て驚いた。
「ルリ子さん?もしかして緑川教授の…」
「えっ、アナタおじいちゃんのこと知ってるの?」


彼女…緑川ルリ子は猛の恩師、そしてその身体を改造した張本人でもある緑川教授の娘だったのだ。それより驚いたのは、彼女があすかの母親であると言うことだった。
だが彼女の容姿は一児の母親にはとても見えず、そのプロポーションや子供らしい性格も相まって、実年齢よりも遥かに若く、そして美しく感じられた。


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