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作者:SS投稿作品用
仮面ライダー〜THE MASKED RIDER〜
「…何故、俺の邪魔をする?君も同じ選ばれた者なんだろ?」
『カメレオン』の言葉に青年は口元を僅かに歪ませた。
「…変身」
そして、『カメレオン』の頬を風が撫でた。
鼓膜が破れるような凄まじい唸りを上げて、青年の腰に付けられたベルトに風が吸い込まれていく。それは既に風ではなかった。
『嵐』だ。
爆風を伴って凶悪な『嵐』が渦巻いた。
ベルトを介して吸収された風は身体の中でエネルギーに変換され、埋め込まれた強化細胞を活性化させる。
そして、普段は眼に見えない粒子として周囲に存在するプロテクト・ギアが凝縮し、その堅牢な肉体を覆う。
防御の中核を成す胸部コンバーターラング
モスグリーンのブーツとグローブ
肉体を守る特殊ラバー素材
そして、飛蝗の複眼が模されたマスクがその顔を覆い、顎部にクラッシャーが装着された。
「…なんだ、お前は?」
『カメレオン』の問いに、何処かで戦っている同じ姿の友を脳裏に浮かべながら、強く、そして確かな声で彼は答えた。
「未来を望む全ての命を守り、お前達ショッカーと戦う者」
「仮面ライダー」
仮面ライダー〜THE MASKED RIDER〜 完
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