仮面ライダー〜THE MASKED RIDER〜(あいじさん作) - 1 | ケステーズ - 二次小説・SS投稿

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仮面ライダー〜THE MASKED RIDER〜

誕生?

荒波が吼える。
今ここに誕生した、仮面の戦士を祝福するかのように。
「ハハハ…大自然よりの使者か…なら本郷猛、いや仮面ライダーよ…」
蜘蛛の姿をしたその改造人間はゆらゆらと動きながら猛を睨みつける。
「俺の名はスパイダー。蜘蛛の遺伝子を組み込まれた改造人間。お前は俺の敵、我が組織ショッカーに仇なす裏切り者!それだけだ!」
スパイダーは高く跳躍し猛の眼前に一気に現れた。そして猛の体に組み付き、その腕を取り関節を力ずくでへし曲げようとした。
「ぐぅっ…!」
猛は絡まれた腕をそのまま岩肌に叩いつけ、その衝撃でスパイダーを離した。
「……!?」
猛は驚愕した。
普通の人間であれば今の衝撃で骨折級の傷害を負っていているところだろう、しかし猛の腕は僅かな痛みさえあれど確かな傷害はない。
「これが…改造人間…」
「よもやこれ程の強度を誇っているとは…流石は成功作」
スパイダーは再び跳躍し猛に迫る。しかしその拳は空を舞い、スパイダーは猛の姿を見失った。
「ぬ…!?」
「うおおお!」
凄まじい衝撃とともに猛の拳がスパイダーの脇腹を強襲する。その拳は高い硬度を誇る筈のプロテクト・ギアを砕き、スパイダーの肉体をも破壊した。
「うぐぁ!」
その衝撃に耐えられずスパイダーが吹き飛んだ。
「飛蝗の能力か…確かにそうだ…もう俺は…俺は…」
スパイダーが怒りの豪放を上げ猛に迫る。それは改造人間の能力を忘れた、本能的な突撃だった。
「俺は…赦さない…貴様らを…ショッカーを!!」
高速を超えた蹴りがスパイダーの腹部を貫通し、鮮血が猛のプロテクト・ギアを染め上げる。スパイダーの仮面が剥がれ、人間の顔が露わになった。
「お前も同じ人間だろう何故ショッカーに協力する?」
「愚問だな…この世は力こそ全て、力こそが…正義…」
スパイダーが沈黙する。まるで糸の切れた人形のように。
猛の視界が歪んだ。仮面の下は深い涙が溢れていた。


誕生 END

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