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ヒグラシのなく頃に(消滅編其の十九)
真っ暗な・・部屋・・・何度寝返りを打っても・・暑苦しくてぬめっとしたものが取れない・・気が付けばもう・・・朝になっていた・・・
相変わらずあるのはビニール袋にある乾燥食品とホコリッぽい部屋・・・
それと・・・昨日大石さんから・・・もらった制服・・・
何もかもの準備を済ませているとなんだかんだで7時30分・・昨日と変わらない時間で
外に出たおろしたての制服はなんかまだくすっぐったいような感じがする
引き戸にぐっと力を入れる
外に出て気が付くと、もう教室前まで来ていた・・・・
昨日と変わらない子供のキャッキャッと騒ぐ声が聞こえる
昨日の二人とは会わなかったのだろうか・・いや会ってたとしても気づかなかったのかもしれない・・・でも・・あの緑髪の人には正直・・会いたくないかもって思った
ガラッと扉を開ける・・・最初に顔面にベタッとした感触で目の前が真っ暗に・・・次につるっと足がすべる・・しりもちをついたところにまた・・嫌な感触・・・
(べちゃ)この感触は・・そう・・あれだ・・あれ・・のり・・・だ・・
「ひっかかりましたわぁー!」
「やったのです・・・パチパチ・・・」
なんだ・・この歓声は?
「ってあれ・・圭一さんじゃ・・ありませんわ!」
「よく見ると・・昨日の転校生みたいなのです・・」
ぺりぺりとゆっくりガムテープが小さい手にはがされていくのがわかる
「大丈夫ですの!」
自分が仕掛けといてよく言う・・・
「いやっ・・大丈夫・・」
「立てるですか?」
梨花って子が心配そうに覗き込む
「何とかね・・・」
また耳が熱くなっていく・・・やばい傾向だ・・最近なんだか・・頻繁じゃないか?