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ヒグラシのなく頃に(消滅編其の百二十五)
・・ちょっと待て・・冷静に・・冷静に・・・ほらっ、トランプの時と一緒だ、相手のペースに乗せられちゃダメだ、こんな時こそ冷静に・・・あれっ、急にヒザに温かみが・・・
まるで・・子猫がそうするように小さな体が僕のヒザに丸まって・・それだけでもかわいいのにこんな一言言われたら・・
「みぃー」
乗せられてぇぇぇぇ!心の声が響く
・・いや!・・コンマ0.2秒の速さでなんとか理性を取り戻す
いくらなんでも・・こんな小さい女の子だ・・家に連れ込んでるだけでも大変なのにこれ以上なにかあったら・・
その時ごろんと正面に梨花ちゃんの顔が見える・・
「いつもの梨花ちゃんもかわいいけど・・・こうやって、見るのもかわいい・・」
ぼそっとそんな声を出してしまった・・でも・・ホントだから仕方ないし・・・
顔は紅潮してるせいなのかもしれない、いつもの幼い感じが少し残ってはいるんだが・・
何か大人の艶っぽさそんなものを彼女から感じた僕は少しおかしいのだろうか?
その唇は少しつやがかって・・僕の目はそこに固まる・・・
「・・・して」
「えっ?」
そんな声が聞こえた気がした・・・幼い声ではない・・まるで・・
もう一度その声に耳を澄ましてみる・・
「キス・・して」
えっ・・これは・・えっと・・目の前の唇が大きく感じられる・・
(ドクンドクン!)
鼓動が大きくなっていく・・・!
これは・・ででっでも・・・
(ピキピキッ)じょじょに理性の外れていく音が・・・
「いいの・・かな・・?これ」
そう考えてるうちに、もう唇はかなり目の前まで近づいていた
ええい、こうなったら僕も男だ!うだうだ考えるな!
ゆっくりと目を閉じる・・・