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ヒグラシのなく頃に(消滅編其の百十)
そう言って、寝惚けてフラフラになってるレナを渡す
「あれっ、ミナもう帰るの?」
「うん、今日はミオと一緒に帰ってね私はちょっと面白いことしてから帰るから!」
「うわぁー、面白いことってなにかな?かな?」
「ふふ、私だけの秘密だよ・・」
「ええー、ミナちゃんずるい!」
「ふふふっ、じゃあ、また会いましょう・・」
そう言って私は少しテンションの高いレナを連れて山を降りた・・向こうには手を振ってるミナが見える・・やがてそれは小さくなって・・消えた・・
「それが・・ミナを見た・・最後・・なんだよねぇ・・」
私は・・ノアサの方を向いていた・・まだ勉強に集中してるみたいだった・・
「最後って・・まさか・」
沙都子の顔が青くなってる・・当たり前か・・だから・・あんまり話したくなかった・・
「そう・・行方不明になったんだよ・・その日を境に・・ミナは消えた・・」
体がぞくっとした感覚に襲われる・・我ながら自分で言っててどうかと思う・・
「いつまでたっても帰ってこないでね・・夜遅くになって村中総手で探した・・・・
レナや私も最後に別れた・・秘密の場所に行った・・でも、やっぱりいなかった・・」
「鬼隠し?」
それを言ったのは圭ちゃんだった・・
「その通り・・圭ちゃんよく知ってたね・・そう、村の人間たちはそう言って片付けた・・鷹野さんの家自体あまり好かれてなかったからね・・」
沙都子の拳はさっきよりぎゅうっと強く握り締められていた・・
「でも・・ノアサはミナを知ってました・・いなくなったはずのミナの事を・・」
言ったのは梨花だった・・相変わらずこういう時だけ勘がいい・・
「私たちなんて・・あの子とミナが一緒に写ってる写真まで見てる・・正直・・何が起こったのかわかんない・・でも・・ノアサは知ってる・・多分・・何があったのかを・・」
(チリンチリン!)
鐘の音・・次は・・確か・・体育だった・・け