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ゼロと双剣の使い魔 46
四人はアマンダを案内役に馬車で学園を出発した。
「・・・手綱なんて付き人にやらせればいいじゃないですか」
キュルケはそう言うがアマンダはにっこりと笑った
「いいのです。私は貴族の名を亡くしたものですから」
「だって、あなたはオールド・オスマンの秘書なのでしょ?差支えなかったらその辺の事情をお聞かせ願いたいわ」
しかし、アマンダは苦笑をうかべそれ以上答えなかった。
それ以上答えたくないであろうことは端から見ても伝わってきた。
「いいじゃないの。教えてくださいな」
キュルケはそれでも聞きたそうに興味津津といった顔でアマンダにじり寄る。
「キュルケ、いい加減にしろよ。言いたくないことを無理やり聞くのはどうかと思うぞ」
それにロイドは助け船を出す。
「でもねぇ、やっぱり気になっちゃうじゃない。ダーリンだってそう思うでしょう?」
「いや、別に。それに、言いたくないことなんて誰にだってあるだろ?それを無理やり聞こうとするのは失礼じゃないのか?」
「・・・それはそうだけど」
ロイドの正論にキュルケは黙り込む。
どうやらあきらめてくれたようだ。
しかし、ルイズはロイドの言葉にじろっとを睨みつける。
「・・・なんか、学園長室のときもそうだけど、あんたって出しゃばりすぎなんじゃない?」
学園長室の時も今もそうだが、ルイズも声を出そうとしていたのだ。
それなのにどちらも一歩先に自分の言いたいことをロイドに言われてしまう。
そのことに少なからずいらいらしていた。
「はあ?なんでだよ。学園長室の時も今もどっちも困ってたから言っただけだろ?別に出しゃばったつもりはないんだけど」
「それが出しゃばってるっていうのよ!なによ、困ってる人助けてお礼を言われたいだけじゃないの?まったく、ほんとあんたって偽善者ね」
「っ!」
ルイズのその言葉を聞いた時、ロイドは顔をこわばらせた。