ヒグラシのなく頃に(消滅編其の十三)
「彼女の顔・・少しだけ遠目から見たわ・・・とてもじゃないけど・・キミやお友達に見せれるような顔じゃなかった・・・」
鷹野さんはまだ何か話しつづけようとしたが・・・富竹さんがそれを手で制する
俺は自分でも信じられないような声でしゃべっていた・・・
「なんで・・そんなことを・・俺に話したんですか?」
・・・少しの間・・
「もしもの時・・あなたが彼女の支えになってあげて・・・」
「支えって・・」
富竹さんが申し訳なさそうな身振りをして
「君たちのこと・・彼女に話をしてしまってねぇ・・・」
急に体の体温が上昇していくのを感じた
「べっ別に・・・俺とレナはそんなんじゃ・・」
鷹野さんはそんな俺を無視して真剣な顔で話を続ける・・・
「彼女これからが大変なの・・一応・・ヤケドの治療はこれからもやっていくつもりだけど・・完治は絶望的・・って言えるわ・・・誰かの支えがこれから必要なの・・わかるわね?」
その問いがあまりに真剣すぎたせいだったのだろうか?ついうなずいてしまった
鷹野さんは笑顔に戻り場の空気は一瞬にやわらいでいった
「これで話は終わりよ・・こめんなさいねぇ・・引き止めちゃって・・」
さっきとは違う和らいだ表情にほっとした・・・
「それじゃ・・俺はこれで・・・」
飲みかけの麦茶を一気にのどに流し込むとドアを開け・・魅音と・・・転校生のいる待合室に向かった