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作者:SS投稿作品用

特捜戦隊デカレンジャーSPIRIT(#021)

その頃美奈子は、ライナに、『デカバイザー』の設計図が描かれた義父の近藤マサトの記憶センサを譲ってもらえるよう交渉していた。
「ライナ様、どうか私にお義父様の記憶センサをお譲り下さい。」「駄目だと言っているだろう。もしこれが外部に渡れば、私たちの身にどんな危機が迫るか判らない、そのことがないように私が厳重に管理しているのだ。」
「ですが、私にはどうしてもそれが必要なんです。お願いします。」
目に大粒の涙を溜めながら何度もせがむ美奈子だが、ライナはなかなか首を縦に振らなかった。

実は美奈子には、野望があった。以前、地球署の元メカニックであったハイマルの協力で当時最新鋭の武装マシンを制作したことがあったが、制作データがブラスト一味に盗まれてしまった。アブレラの経営するDSC(ダーク・シャドウ・カンパニー)は、多大な人手不足の為深刻な経営難に陥っていた。マサトの制作した超マシン『デカバイザー』は、DSCを勝利に導くはずの唯一のマシンだった。しかし、ブラストの陰謀により、従業員のほとんどがこれもろとも宇宙警察の手に渡ってしまった。その状況をを打開するべく美奈子はマサトの弟子であり、強化実験の際脱走した前夫松田一也を脅迫し、デカバイザーを超える性能を持つ超マシンを制作しようと考えていた。

「ところで、一体誰に制作させるのだ。」
ライナは問いた。
「松田一也でございます。」




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