涼宮ハルヒの進級23(SOS団とは別のお話)
次の日の放課後、いつものよに(と言ってもまだ一週間も経っていないが)石塚と別れて音楽室に向かう。あの人との、約束を果たすため……なんて、使命感などミジンコの小指ほどもなく、フラフラと、音楽室に歩を進める。 「おう、待ってたよ」 ドアを開けた途端に、学校の端まで届きそうな大声を聞いて、一瞬ビクつく俺。「なんで音楽室にあなたしかいないんですか」 周りを見渡しても、麻生先輩以外誰もいない。 「みんなは、まだ勉強中」んなアホな。抜け出してきてるのか。そういえば、一年は一週間くらい三十分ほど放課後が早いんだっけ。「なるほど」 麻生先輩の返答に納得しながら、音楽室に入る。 「ここに座って〜」 隣に置いてあるパイプ椅子をポンポン叩く。じゃ、遠慮なく。 「で、残りのメンバーはどうします?」 「それは、カッシーに任せた」 いや、任せられても。てかずるいな。 「嫌ですよ、そしたら先輩は何するんですか」 「あたしは、大切な仕事があるから」 それは、本当か?信憑性にかける。