涼宮ハルヒの進級29(SOS団とは別のお話)
それじゃ、と言って、石塚宅を後にする。少し暗くなってきたが、まぁまだ明るい。ライトを付けるまでもないだろう。五分ほど自転車をこいで、近くのコンビニによった。買い物をすまして、自転車の籠にレジ袋を置いた時にレジ袋から何か落ちた。さっき買った菓子だ。屈んでその菓子を拾い上げる。すぐに違和感に気付いた。今まで様々な音がしていたのに、一気に静まり返っていたのだ。アホ面でキョロキョロする俺。散々人が溢れていたのに、今じゃ一人も居なくなっている。なんだよこれ!なんで誰もいないの?そうだ!コンビニの中は?コンビニのドアを勢いよく開いた。誰もいない。どうなってんのこれ?有り得ないよね?なんでこんなことになってんの?何で俺しかいないの?様々な疑問を頭に浮かべていたら、いきなり轟音と共に強い振動が伝わってきて思考が停止した。慌てて外に出る。振り返ってコンビニを見上げるが、なんともない。また轟音と振動が伝わってきた。その強さに思わず目を閉じた。掌から嫌な汗が滲み出ている。ゆっくりと目を開けて、音と振動の発振元を探した。ちょうどコンビニの反対側真後ろの遠方におそらく音と振動の発振元だと思われるものを発見した。