ヒグラシのなく頃に(消滅編其の百三十六)
「圭ちゃん・・」
「もう1人・・残ってたな・・確か・・」
そう言って魅音に近づく・・
「やめろ!魅音に・・手を・・出すな・・」
「ノアサ・・アンタ・・もしかして・・」
(ドゴッ!)無言で一発!(ベカッ)二発!(ドガッ!)三発!
「やめろぉぉ!」
「うっ、うう」
「これで・・証明出来た・・」
こいつは!こいつはぁぁ!
「これでわかった?幸せなんてこんな簡単に壊れちゃう・・お前ら・・ばか?」
「うおぉぉ!」
俺は後ろ手を縛られた状態でそのまま野木に突っ込んだ・・
(ドン!)
「ぐっ!」
思いっきり後の手に力を入れる縄がほどけた!
「お前!おまえぇぇ!」
まず腹に一撃!次に顔!そして足!思いっきり踏みつけた!
「クソ野朗ぅぅ!クソ野朗!」
「ふふふ・・その程度、全然痛くないんだけど?」
殴られながら笑ってるこの野郎!
「死ね!お前はしねぇぇ!」
顔を集中的に殴った・・何度も何度も力の限り!
「圭ちゃん・・やめて・・」
後ろからの声・・魅音だった
「どうして!止める!こいつは!」
「やりすぎだよ・・ノアサ・・死んじゃう・・」
「お前は自分がこいつに何されたのかわかってんのか?」
「違う・・ノアサは・・」
「くくくく、こんな状況でおしゃべりとは・・もてますねぇ、先輩・・くくく」
「まだ足らねぇのかぁぁ!この野郎ぉぉ!」
(ドン!)腹に重い一撃・・・(グシャ!)鈍い音・・血が染み出してきた・・それっきり動かない・・
「これでいい・・」
ノアサは小さくつぶやく・・
「魅音・・行くぞ」
「あっ、ああ・・」
魅音の縄をほどき、沙都子の縄もほどく・・思ったよりゆるめだった・・
「ノアサ・・は?」
「もう、あいつに関わるな・・帰ったら・・すぐに警察に電話だ・・」
沙都子はまだ気絶している・・俺は背負った
「行こう・・」
魅音は無言でうなずく・・