ヒグラシのなく頃に(消滅編其の九十七)
羽入はただ黙ってうつむいている・・やっぱり間違いないみたいだ・・
「どうして?ノアサが私を殺すの?」
羽入は答えてくれない・・黙ったままだ・・
「ふわぁー、梨花ぁ誰と話してますのぉー」
沙都子が起きはじめた・・いけない・・
「みぃ、小鳥さんと話してたのですよ」
いつものようにごまかす・・この言い訳・・もう今まで200回以上使った気がする・・
「そうですの?」
沙都子は少し疑り深い顔をした後いつものような笑顔にもどる
「おしゃべりもいいですけど、早く行かないとトラップを仕掛けられませんわ!」
「今日は誰がかかるのでしょう?楽しみなのです!」
そういってカバンを持っていつもの道を二人で走っていく・・・朝日がまぶしい・・
そこは地獄と呼ぶにはあまりにも華々しく・・天国と呼ぶにはあまりにも残酷だった・・・
そこにはいつにも増して人だかりが出来ていた、その中央にはガラスに囲まれた空間がある、
そこに・・目隠しをされた子供が、銃を持った大人に促され次々と入場していく
やがて全ての子供が入ったのを確認すると、扉は完全に閉められる
ガラスの外にいる男がこの忌まわしいゲームの説明を始める
「レディースアンドォジェントルマン!今回のメインイベント!ロシアンル―レットォ!
ここにおりますはそのゲームに参加する勇士10人の子供たちさぁ、目隠しをはずして!」
そういって目隠しをはずされる、目の前にはきらびやかな観客・・
「右から!アメリカからさっき来たばかり!コウ―レン!・・」
次々と紹介されていくそして・・
「さぁ、前回も涙腺が弱い日本人アサトノギ!今日は泣かないのかな!皆さん!期待だ!」
何人かの観客がぼくを見ながら・・
「おい、あいつもう泣きそうになってるぜ・・・」
「ねらい目はあいつだ・・」
「そろそろ消すんじゃないの?」
なんなの・・ここ?なんなの?なんで?ねぇ、誰か助けて・・よ・・ねぇ・・
「さて、まだろっこしい話もここまで!そしたら始めよう!ゲィムスタートォ!」