ヒグラシのなく頃に(消滅編其の百五十四)
「私・・今、幸せの・・はずなのに・・しっかりしなきゃいけないのに・・」
「会いたいんだろ?今でも・・家族や友達にさ・・帰りたいんだろ・・ホントは・・」
「ううっぅ・・うう・・うぁぁぁあああああああ!」
ミナはもたれかかるように横になるユユに頭をつける
「ノアサは・・まだ弱い面がある・・だから、お前が率先して不安にさせないようにしてるのは・・嫌でもわかるさ・・ずっと一緒にいれば・・お前だって辛い目にあってるのに」
「あの子が邪魔だって訳じゃないの・・ちがうの・・でも・・あの子の前じゃしっかりしなくちゃって・・」
「わかってる・・俺だってそうだ・・ミナだけじゃない・・俺だって・・だから・・」
「脱出?」
「ああ、考えてる・・」
「でも、廃品部屋・・あそこは・・」
「そう、ウェインもジョウイもあそこに入ったきりかえってこないな・・」
「あそこに入ったら・・知らなくていいものを見てしまうかも知れないのよ・・」
「でも、いつまでも・・ここにいたくはないだろ?・・ミナだって俺もそしてノアサも
可能性があるなら・・俺はかけてもいいと思う・・俺たちの商品価値もいつまで持つのかもわからない・・し・・な」
「可能性なんて・・あるのかな?」
泣いた声、だが、けして顔は見せなかった・・
「勝ち目のない勝負なんて最初から俺はしない、意外と俺が慎重なの知ってるだろ?」
「あるのね・・勝ち目・・」
「ああ、ある!」
それはとても力強い言葉・・ユユは拳を力強く握る